最後の音が響いた。
もう、そこには誰も居ない。
黒は余韻が消えるのと同時に、倒れるように横になった。
息が荒い。喉が痛い。体が熱い。
「しろ…ちゃん」
そう呟いたかと思うと、黒は小さな息を立てて目を瞑っていた。
その横で、黒を見下ろす白。
「…黒ちゃん」
そっと声をかけて、黒の隣に横たわる。
黒の小さな寝息が聞こえ、白はまた冷たい微笑みを浮かべた。
目を瞑ると、音楽が聞こえてくる。
どこか知らない場所で、ギターを弾く少女が居る。



何処かのライブ会場で、二人の少女が歌っていた。